看護師のケース
看護師の人事異動
病院勤務の看護師は毎年3月ごろに異動の発表がありますが、業務改革などが行われた結果、3月に発表することが難しい場合には6月に発表することがあります。しかし、看護師という仕事の特性上、突然の退職による人員不足ということが少なくありませんので、3月や6月に限らずに異動になるケースがあります。
基本的に長く勤めている慣れた職場から離れることに抵抗があるのは当然ですが、その中で急に自分1人だけ異動になることはさらに抵抗があります。そして看護師の人事異動には仕事上、面倒なことが多く付いて回ります。
異動によって起こること
看護師が異動をする際には、まず患者さんの名前を全て覚え直すことになります。そして今までの患者さんとの付き合いが無くなることで、築いてきた患者さんとの信頼関係を全て一新して、新しい患者さんと一から信頼関係を築き上げることになります。このように付き合ってきた患者さんがガラッと変わることで、新しい患者さんの情報収集や、行われている看護に関する知識などを習得しなければなりません。
そして同じ病院とはいえ働く場所が違いますので、業務の流れも一から覚え直すことになります。看護師は異動した際には、大きな負担があり新人と同じ感覚で始めなければならない仕事が多くあります。
適材適所じゃない場合も
人事異動の大きな目的の一つに、適材適所を目指していることがありますが、看護師の人事異動は人員の補充などを目的としていることがほとんどです。自分の最も向いていると考えている場所への異動ではなく、人員を補充させるために自分が働きやすく向いている思っていた業務から、自分が明らかに向いていないと感じる業務への異動があります。このような適材適所が感じられない異動の場合や、自分が望んでいない異動などがあった場合でも上司からの命令なので拒否することは難しいです。人事異動が発令された場合はほとんど強制だと考えて良いです。
公平感や平等
看護師の異動を決めるのは、施設によって異なりますが総看護師長や院長のケースが多いです。しかし、実際に異動に関する意見が大きく反映されるのは、現場で看護師をまとめている看護師長の立場です。つまり、看護師長が決めるため、看護師が納得出来ない異動であることも多くあります。個人的な観点で決められたような感覚になってしまうので、勤続年数や立場などがあまり考慮されない人事異動などもあり、人事異動に公平感や平等を感じさせない異動は看護師には多くあります。